Home > Guitar & DTM

Tube Booster

エフェクタを作ってみよ〜って思った。
高校の時にコンプレッサとディストーションとフェイザを1つのケースに入れたの作った事があった。
けど、実際に半田付けしたのは、アマチュア無線部の友人(喜んで作ってくれた)で、私は部品を言われるがままに買いに行っただけだが…
ま、それ以来だ。
今度作るエフェクタは、地味〜なエフェクタ。
きっと弾いてる自分しか分からない…、もしかしたら自分だってエフェクトonになってないの気付かないかも知れない。
そんなエフェクタ。
真空管を使った、バッファアンプというか、プリアンプというか、ブースタというか、そういう物が欲しかった。
目的は、トランジスタアンプの音を真空管チックに味付けるって感じ。
でも、市販品は高い。
ぶったまげる値段よ。
で、自分で作ってみようかと…
ネット上を調べると、幾つかそれらしき物が引っ掛かる。
その中で、比較的簡単そうだったのが、『サウンド&レコーディングマガジンの2006年1月号』に載ってらしい『Tube Booster』だ。
じゃ、バックナンバでも頼もうかと思ったら、売り切れでござる。
で、パーツを集めようと思ったんだけれども、良く分からない。
コンデンサっていったて、同じ規格で○○コンデンサってのが数種類あるし、抵抗も同じ規格で数種類あるし…
ここは、社会人って事を利用して、キットを買ってしまった。
秋葉原まで一駅のところに勤めていても、平日、ラジオストアラジオデパートが開いてる時間帯にお店に行くのはほぼ無理だからねぇ(上手い具合に外出が入れば良いけど…)。
で、届きました。


至れり尽くせりのキット。
このまま、作ればOKなんでしょうけど…


電池駆動ってのは良いんだけれども、単二が4本と006Pが1個。
ん〜、面倒臭い。
本番の前に、単二と006Pを気にしないといけないなんて…
チューナはボタン電池やし…無理。

じゃ、エネループにして充電しながら使おうかな…
エコやし…
でも急に電池なくなったら困るから2セットそろえて回す?
エネループの値段見たら…高っ! ⇒ 却下

市販のACアダプタ買って来て繋ぐ?
それも不安やしなぁ…


結局、乾電池はやめ、その空いたスペースに電源を入れる事にした。
ネットで調べたら、どうやら3端子レギュレータってのがあって、7809を使うと9V(006Pの代わり)、7806を使うと6V(単二4本の代わり)を取り出せるらしい。
回路図も色々載っているのだが、どうもコンデンサの容量がはっきり分からない。
恐らく、これら3端子レギュレータ廻りのコンデンサは、本来揺らがない直流の揺らぎを抑える役目なんだろうと判断して、適当(当てずっぽ)に決めた。
例えと、ジャダーを抑えるステアリングダンパのような物だろう。
無くても車は走るし…(^-^;
回路はこれ。

結局、3端子レギュレータ、コンデンサ、ダイオード、基板等を買う為に、上手い具合に外出が入って(を入れて)、秋葉原でパーツ購入…(^-^;
# じゃ、最初から買いに行けばええやん……まぁまぁ…




で、あっさり電源部完成。

左半分で9V作って、右半分で6V作ってます。
それぞれの3端子レギュレータに付いてるヒートシンクは家に転がってた物。

完成後のテスタでのチェックも一発OK。
なかなか、綺麗な出来だ(と、自分では思ってる)。



これで、乾電池は使わなくてもOKになった。
さらに、フットスイッチ何ていらんから取っちゃえっ!
フットスイッチを端折るって事は、ACアダプタ繋がってる限り常にONな訳だから、LEDも要らんなぁ。
で、全体でもこんなに簡単な回路に…

上半分が電源部。
下半分が真空管ブースター部。
部品の点数でいうと電源部の方が多い…

しかし、こうやって自分で考えてると少しは分かってくる事がある。
この真空管『12AU7』ってのは、ヒータ部に5pin-4pin間に12.6Vをかけるのが定格みたい。
故意に6Vしかかけないそうだ。

あと、この真空管、増幅回路が2つ入っているけれども今回は片方しか使わないって事も分かった。




この回路図を元に、さっさと組み上げた。

思ったより簡単に事は運んだので、余裕のつもりだった。
が、組み終えると音が出ない。

せっかく、配線はBELDEN8412をばらして芯線使ったのに…
せっかく、チョ〜高級半田使ったのに…
音、出ないんじゃね…

テスターで全てを当たったら2箇所間違いを発見。



先ず、可変抵抗の半田の位置を間違えてた。
左に回し切るとMax、右に回し切るとMin の状態だった。

もう一つは、インプットジャックの半田の位置を間違えてた。
ギターの信号がこの箱の中に全く入ってきてなかった…(^-^;

この2箇所を治すと…出たっ!


暫く、悦に入ってギターを弾いてた。
箱の中を弄りながら弾いてたら、半田不良?って思われる所があり、少しやり直してみようかな…と…



ここからが一番大変だった。
一度付けた半田を取るのが結構大変。
ダイソーで買った半田吸い取り機が活躍した。
で、半田不良と思われた所を治したは良いが、今度は音が出なくなってしまった。
結局、フィルムコンデンサ(0.68μF/400V)を交換したら直った。
半田の熱で壊れたのかなぁ…
良く分からん。




という事で完成。

外から見ると、インプット、アウトプットのそれぞれのジャック、DC12Vのジャック、可変抵抗のツマミだけのシンプルさだ。
結果的に、キットに入ってきたパーツは結構余るし…ケースはでか過ぎるし…
ま、勉強代だな。

お気に入りは、真空管覗き窓。(右画像)
でも、残念だったのはあんまし光らないのよねぇ…
部屋真っ暗にすれば光ってるけど、普通じゃ光ってんだかどうか分からない。
ヒータに12Vかけたらもちょっと光るんかいなぁ…

さて、出音のチェック。

使用機材は、『Ibanez AS200 SampleEXL115)』⇒『BELDEN8412 4.2m』⇒『Tube Booster』⇒『BELDEN8412 0.6m』⇒『POD XT』⇒PC(SONAR)
Tube Booster にはフットスイッチが無いので、右チャンネルと録音する時は Tube Booster と 0.6mのBELDENのシールドは外す事になる。
いつもの様に、ギターのボリューム10、トーンは6(テープで固定(^-^;)。

今回、POD XT はジャズコ(Roland JAZZ CHORUS)を選んでみた。
何処にでもあるトランジスタアンプの代表格のジャズコにこのTube Booster を繋いで真空管テイストを加えるって想定だ。

左チャンネル 右チャンネル
Tube Booster

POD XT
POD XT
のみ
[Sound]


ま、演奏は置いといて…_| ̄|○

思ったより良い感じだ
音がふくよかになってるよね。
弾いてると、コンプレッション感もあるし…

正直、良く聞くと、結構歪んでいて、ちょっとどうかなぁって思ってたのよねぇ。
ノイズも結構乗ってるんだけど、あんまし気にならんね。
録音時、可変抵抗はMin.。
それでもブーストされてて、レベルメータ振れ方はでかい。
ブースト圧はどれ位なんやろ…(^-^;

使えそうやん、これ。
ME-50に付いてる『FAT』より5000倍良いよ、これ。
歪みをもう少し取りたいんだけど…どこをどうすればいいのかなぁ…
ヒータの電圧上げてみようかなぁ…